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ペナン島で続々と進められている4つの大規模都市開発計画を一挙にご紹介します。

 

ペナンマップ

ムティアラLRT線 - 待望の島内鉄道路線

 

ムティアラLRT線

コロナや政変などさまざまな影響を受けて計画が延期されていた,ペナン島内では初*となる鉄道路線,ムティアラLRT線(Mutiara Light Rapid Transit Line)が,今年2024年9月以降に着工し,2030年開通予定と,初めて具体的なスケジュールを伴って政府よりアナウンスがありました。

開通すれば毎日渋滞に悩まされているPenangitesにとって朗報となりそうです。

*厳密には,ペナン島内では100年以上前に路面電車が,また,現在でもペナンヒルのケーブルカーが運行中です。

見直しされた計画によりますと,総延長は約29km,ペナン国際空港の南の沖合で埋め立て工事が進んでいる人工島,シリコンアイランド(後述)を起点とし,空港,SPICEアリーナ,The Light(City)を経てジョージタウンのコムター駅までを結び,さらにコムター駅からは海底トンネルを通じて本土側マレー鉄道KTMのバタワースに接続する,ペナンセントラル駅まで延伸される予定です。

一部の停車駅は地下に建設されることから,地下と地上もしくは高架の複合的な路線となる見込みです。

なお,ジョージタウン以北のタンジュントコン線や,そのほかの延伸計画は2030年までの建設計画には含まれていません。
複数の路線が提案されていた以前の計画から比べるとかなり規模が縮小された感がありますが,予算や経済効果を考慮して,コンパクトかつ現実的な計画に落ち着いたのではないでしょうか。
まずは告知通り年内の工事着工を見守りたいと思います。

The Light City - 来年オープンする新ランドマーク

 

The Light City建設工事進捗状況

The Light City建設工事進捗状況
*YouTube抜粋: SCM Southern Corridor Malaysia

ペナンブリッジ(第一)のペナン島側の海岸線を約1.5kmに渡って埋立て,10年以上前に完成した巨大コンドミニアム「The Light Collection(43エーカー)」に続き,建設工事が佳境を迎えているのが「The Light City(33エーカー)」と呼ばれる大規模都市開発です。

マレーシアのゼネコン大手のIJMと,シンガポール資本のPerennial社が共同開発を行っています。

現在の開発状況はこちらのYouTubeから,さらに完成予想CGをバーチャルツアーでご覧いただけます。

2024年4月時点の空撮映像

360°バーチャルツアー

360°バーチャルツアー(完成予想CG)
Source: IJMPD *別ウィンドウが開きます
*現在リンク先工事中

国際会議場(PWCC)や新しいコンドミニアムの「Mezzo」,そしてショッピングモールやホテル,オフィスビルなどの主要建設が同時並行で進められており,注目のショッピングモールは,2025年初頭に開業予定とアナウンスされています。
来年の開業に向け2024年内にはテナントと契約を完了する見込みのため,今年秋以降に店舗の顔触れが判明することになりそうです。

モールにはシネマコンプレックス(ブランド未公開)も併設される見込みで,こちらも集客の要となるでしょう。

PWCCには展示会場として最適な,広大な無柱大空間が設定され,展示会はもちろん国際会議やコンサートも誘致できるようです。

ペナン島のバヤンレパスには現在,SPICEという国際会議場とアリーナがありますが,そちらとのイベント誘致で競合することになることが予想されます。SPICEには空港にほど近いというメリットが,PWCCは新しいランドマークとしての真新しさや,モールやホテルに直結という利便性もありますし,お互い相乗効果でペナン島の発展に寄与してほしいものです。

ホテルは2つの中華系と米国系のブランドが進出する見込みですが,交渉中のためまだブランド名はアナウンスされていません。
中華系のホテルについてはマレーシア初進出のブランドになると発表されています。

建設中のコンドミニアムのMezzoは,地上34階建て総戸数456戸,1,033~1,367SQFT(2~3ベッドルーム)のラグジュアリーコンドミニアムです。
南側のタワーBは完売済み,北側のタワーAの海側のユニット番号5~8も全階完売済みですが,タワーAで販売中のお部屋もありますので, 弊社割り当て分は4月末現在完売済みとなりました。ご興味のある方はお問い合わせフォームからご一報下さい。

The Light Cityで長期的な投資対象をお考えの場合は,Mezzoに続いて建設着工予定の,”Essence”から名称が変更された「Lightwater Resideces」がお勧めです。
商業施設とホテルに隣接しており,Mezzoよりもお部屋は広く,販売価格帯もRM2M前後からとなる見込みです。

アンダマン島 - 海に浮かぶ新しい町

 

アンダマン島の完成予想図

アンダマン島完成予想図 *Source: E&O

ペナン島北部のガーニードライブからストレイツキーにかけての海峡沖に造成された760エーカー(東京ドーム約65個分)の人口島と,島内のコンドミニアムや住宅地,商業施設などの関連都市開発を総称して“アンダマン島プロジェクト”と呼ばれる大規模開発プロジェクトが進行中です。

開発会社は1885年から続くペナンのランドマーク,ジョージタウンの「E&O Hotel」を起源とするE&O(Eastern&Oriental)社で,“半月状”の形をした既に埋立て済みの第一フェーズと,その対の形をした一部埋立てが進んでいる第二フェーズとで構成されています。

先行開発のコンドミニアム建設を除き,具体的な計画は明らかにされていませんが,オフィスビルや商業施設,教育施設も計画されていることから,近代的な水上の“新しい街”が誕生する壮大な都市開発となる見込みです。

 

現在のアンダマン島

タンジュントコン方面から見たアンダマン島全景(2024年4月)

2024年4月時点の空撮映像

2024年4月現在,第一フェーズの埋立工事は完了し,ガーニードライブ側の2番目の橋と,“MEG”というコンドミニアムの建設が進んでいます。

2026年完成予定の1,020戸で構成されるMEGは,なんとすでに完売済みで,今年建設が始まった隣接する“ARICA”も半数以上が売約済みと,このことからも同プロジェクトの将来性に期待する国内外投資家からの人気を伺わせます。

現在アンダマン島にはストレイツキー側の橋から自動車でアクセス可能で,島内で唯一オープンしているカフェレストラン “Moonshine Bakehouse”ではパスタやスイーツをいただくことができます。

連絡橋のセキュリティゲート

アンダマン島への連絡橋前のゲート
*QRコードを読み取り,自動車ナンバー要登録

連絡橋

連絡橋を渡ってアンダマン島へ

カフェ入口

E&Oのショールーム右側にあるカフェ
「Moonshine Bakehouse」

おすすめのチーズケーキ

おすすめのクリーミーな
チーズケーキ(RM19/約600円)

島内で建設中のMEGはすでに完売済みのため,引き続き販売中のARICAについてご紹介します。

ARICA完成予想図
ARICA完成予想図

アンダマン島のラグジュアリーコンドミニアム 「ARICA」
*Source: E&O

MEGに続く第二のプロジェクトとして,ラグジュアリーコンドミニアムのARICAが今年着工しました。
2027年完成予定で,地上45階建て全部屋家具付きの380戸,広さは947~1,259SQFT(2~3ベッドルーム)で,販売価格は81.1万リンギット(約2,600万円)からとなっております。

周辺のショッピングモールなどの建設計画は未定ですが,一足早く2026年完成予定の隣接するMEGの下層階には商業施設が併設される見込みのため,そちらを利用することで利便性は良好とされています。

弊社でのARICAのお取り扱い時期は未定ですが,日本在住でご興味のある方には,詳しい情報をご提供させていただくことも可能ですので,お問い合わせフォームからご一報下さい。

ARICAとMEGは隣接

ARICAとMEGは隣接

ARICAの間取り

Type Cの間取り

シリコンアイランド - ハイテク産業の持続的発展へ

 

シリコンアイランドの完成予想図

シリコンアイランド完成予想図 *Source: Gamuda Berhad

ペナン州政府が開発を進める,ペナン島南部の空港に面する湾を2,300エーカーに渡って埋立て,工業団地や商業施設及び住宅などを約25年かけて建設する壮大な開発計画が,この“シリコンアイランド計画”です。

これまでその開発規模から,地元マレーシア人も半信半疑だった計画が,これまた当初計画の3列島構想から1島(シリコンアイランド)のみに縮小され,昨年の2023年9月から埋め立て工事が始まったことで,やっと現実味を帯びてきました。
この埋め立て工事だけで実に9年を要し,2032年までの長い道のりとなるそうです。

2024年3月時点の空撮映像

シリコンアイランドにはハイテク工業団地を中心として,住宅地や商業施設も整備され,747億リンギットの投資と,22万人の雇用機会を生み出すことが見込まれています。

ペナン州のチョウ・コンヨー州首相のコメントによると,シリコンアイランドの開発背景としては,電気・電子機器開発・生産の国際競争力をより一層高めるために,バヤンレパスの工業団地(FIZ)をさらに拡大する必要があり,その受け皿となるのがシリコンアイランドになる,と説明しています。
「50年以上前にペナン経済に改革をもたらしたバヤンレパス自由工業団地(FIZ)の成功を再現できると確信している。(同氏)」とのこと。

“ペナン島の形を変える”ほどのビッグプロジェクト,世界各国のハイテク企業の進出や不動産動向など,ペナンそしてマレーシアのあらゆる経済的側面に,持続的なプラスの影響を与えてくれそうです。
Penangitesだけではなく,世界から注目を集める大きな転換点となることを期待しましょう。


ペナンで着々と進んでいる大型プロジェクトを一挙にご紹介させていただきました。
これらの大規模都市開発以外にも,ガーニードライブ沖のガーニーベイや,The Lightからファーリムまでを結ぶバイパス,ガーニードライブから本土までを結ぶ自動車用海底トンネルなど様々な開発が進んでおり,今後10年程度でペナン島は大きく様変わりすることになりそうです。

ペナン島で不動産購入や,定住をお考えの場合は,ぜひこれらの都市開発動向を念頭にお住まいやビジネス展開をご検討されてみてはいかがでしょうか?

当サイトもしくはSNSでは引き続きこれらの大型プロジェクトに注目して,随時進捗状況などお伝えしていて参ります。